眼科医 吉野健一ブログ相談室

眼科医 吉野健一 眼科のお悩みお聞きします

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●●様:お返事おくれすいません.以下,@でお答えいたします.


レーシックのことでお聞きしたいのでメールを送らせていただきました。ちょうど1年位前に吉野眼科で診察を受けました。その時は目の充血がなかなか治らないので受診をしました。(どこの病院にいってもなかなか治らず吉野眼科をHPで拝見し、私と同じ眼の状態が掲載されていたので・・・)その時の診察はやはりシェーグレンだろうということで先生が今、病気(全身エリテマトーデス:13年前に発症・ずっと落ち着いていていい状態です。)でかかっている病院でシェーグレンの値を調べなさいということでした。その後血液検査で調べたところやはりシェーグレンが少し出てきているところでした。ただ、まだそんない酷くない状態でした。それから1年たって口の渇きが進行してきたので、眼のほうもドライアイが酷くなる前にレーシックを受けなきゃと真剣に考えているところです。視力は両眼0.02なので今のうちに直さないと一生めがねは辛い視力です。レーシックは普通のひとでも術後ドライアイになるということですが、もともとドライアイ気味の人は術後どうなってしまうのか不安もあります。


@元々ドライアイがある方でレーシックを受けると術後一時的にドライアイが悪化するということは十分あり得ます.しかし,十分な術後のドライアイ管理で6ヶ月後、長くても1年後には元の状態に復活します.少なくとも術前にドライアイのコントロールがつけられる状態であれば手術は可能です.当院にてシェーグレン症候群でレーシックをお受けになった方は私の記憶で少なくとも3人程おります.皆、術後の管理で快適な状態を保ち満足なさっています.


また、受診の際にはそちらでシェーグレンの値を血液検査で調べていただけるのでしょうか?それとも通っている大学病院でデータをもらってきたほうがいいのでしょうか?


@当院でも十分可能です.


病気をもっているのでアフターケアをきちんとしていただけるところがいいのですが、アフターケアのほうは大丈夫でしょうか?


@私は長年ドライアイの研究と臨床に携わってきました.ドライアイの管理には重症ドライアイも含め自信があります.


長々とすみません。お返事お待ちしております。よろしくお願いいたします。●●


Subject: 金曜に診察していただいた●●です。吉野先生:こんばんは。先日、診ていただいた●●です。全身性エリテマトーデス(シェーグレンもあります)のため薬を飲んでいるのでレーシックが難しいというお答えをいただいており、前例があるかの、先生からの返事待ちでメールをお送りしました。いくつか質問があります。


@調べてみました.たとえステロイドを内服していても定量維持量で落ち着いていればレーシック可能だとのことではありました.


1:レーシックはドライアイが進行すると手術できなくなるとお聞きしてましたが、フェイキックの手術はドライアイの進行に関係なくできるものですか?金額が100万円と高額なのでもう少し余裕がでた年齢でやりたいなぁと思いまして。


@フェイキックIOLは眼の表面をいじらない手術なので基本的にドライアイに影響は及ぼしません.しかし,眼内に人工レンズ(いわば生体にとっては反応は極めて低いですが異物)を挿入するわけですから,眼内に炎症を起こしやすい状態(虹彩炎,ぶどう膜炎)があるとやはりこちらも問題です。以下に、自己免疫疾患に対するレーシックの手術予後をまとめた文献を調べてみました。結論は、治療により安定している状態であればレーシックを行っても問題は生じないとのことです。現在、病状は落ち着いているので、手術を受けられる目のである条件がクリアーできればレーシックも可能ということになります。


Laser in situ keratomileusis in patients with autoimmune diseases.


Smith RJ, Maloney RK.
Maloney Vision Institute, Los Angeles, California 90024, USA.


PURPOSE: To evaluate the safety of laser in situ keratomileusis (LASIK) in patients with autoimmune diseases. SETTING: Private clinical practice. METHODS: In this retrospective case series, the records of patients who had LASIK at the Maloney Vision Institute between June 1, 1998, and October 1, 2004, were reviewed for a history of autoimmune disease including systemic lupus erythematosus, rheumatoid arthritis, psoriatic arthritis, scleroderma, inflammatory bowel disease, Graves' disease, Reiter's syndrome, and Hashimoto's disease. The records were reviewed for corneal and scleral complications of autoimmune disease after LASIK. RESULTS: Forty-nine eyes of 26 patients with inactive or stable autoimmune disease were identified. No eye developed corneal thinning, melting, persistent epithelial defect, persistent keratitis, scleral thinning, scleritis, or scleromalacia. CONCLUSION: Laser in situ keratomileusis may be a reasonable option in patients with well-controlled or inactive autoimmune disease. PMID: 16863964 [PubMed - indexed for MEDLINE]


2:レーシックが出来ない場合は他の方法は(フェイキック以外)としては先生のオススメは涙点プラグになりますか?涙点プラグをすればコンタクトできるんですよね?


@涙点プラグは大層な処置ではなくたとえ重症ドライアイでなくても点眼療法が無効な人にでも日常的に外来で挿入しています.


3:まだそれほどドライアイが進行してないようでしたが、コンタクトはしてもさしつかえないのでしょうか?


@ドライアイが進行していなくても,コンタクトレンズを装用すると不調な場合には涙点プラグを気軽に挿入してもよいと思います.
吉野眼科クリニック 吉野健一
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レーシックセンターURL: http://www.tokyo-lasik-center.com
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