眼科医 吉野健一ブログ相談室

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Q.> 円錐角膜の素性がある場合、フェイキックの手術は対象外になってしまうのでしょうか。私の場合、今、右目が近視・乱視・円錐角膜(ハードレンズ使用)、左目が近視・ドライア(涙点プラグ使用)です。ただ、特に左目は痛みや不快感からハードレンズが装着できてませんでして、右目だけ円錐角膜悪化防止ということもあり、我慢してレンズをいれるようにしているといった状況です。ガチャ目といった状態になっていますが、仕事含め現時点ではなんとかそれで生活できております。しかし仕事内容も変わる予定があり、せめて左目だけでもフェイキックによって裸眼で視力がでるようにできたらと思い、ご相談させて頂きました。


円錐角膜に対してはレーシックの適応はありませんが,フェイキックIOLであれば,たとえ円錐角膜の素因があってもの手術可能です.しかし,円錐角膜に対するフェイキックIOLによって実現する裸眼視力は,眼鏡で矯正した最高視力が最もうまくいった時の最高視力となります.したがって円錐角膜にHCL(ハードコンタクトレンズ)を装用した時のような良い見え方にはなりません.円錐状の角膜の歪み(不正乱視)が強くなければかなり良好に見えるようになり,少なくともガチャメ(不同視=左右の度の差が大きい状態)の状態を解消することはできます.また,話は変わりますが,どうしてもHCLが裝用ができない進行した円錐角膜の場合には,当院HPにあります,強角膜レンズが手術(角膜移植やフェイキックIOL)を回避する手段としてあります.御参照ください.