眼科医 吉野健一ブログ相談室

眼科医 吉野健一 眼科のお悩みお聞きします

目の悩みにお答えしました! 気になる項目を右の検索より検索するか、カテゴリーからお選びください。

網膜静脈分枝閉塞症による黄斑浮腫

●● ●●様:
>> お名前 = ●● ●●
>> 都道府県 = 奈良県
>> 性別 = 男性
>> 年代1 = 40代
>> 年代2 = 後半
>> 内容 =
>> 初めまして。下記症状で発症しましたが、今後の治療方針に関して迷っており、ご相談申し上げます。1ヶ月前に右目に違和感があったため、眼科にて受診したところ、眼底検査で「網膜静脈分枝閉塞症」と診断され、投薬治療としてカルナクリンとアドナが処方されました。画像診断より、見えにくいのは「上方視野」だが、腫れが黄斑にかかっているのが問題との話でした。(マトリックスを見ると中心点も含んで左上方がゆがんで見えています。)視力は裸眼で0.04(乱視と近視のため、良いほうの左目も0.06です)、矯正視力が1.2です。2週間後の受診結果でも、網膜浮腫が変わっていないため、状態の良いうちに注射による治療を早くすることを勧められました。注射の種類は、保険適用の「ケナコルト筋肉注射」と適用外の「マクジェン」とのことです。「ケナコルト」は緑内障などの副作用があることと、効果のある人が30%程度であることから、本来の用途では無いが、腫れをひかせることに効果がある「マクジェン」の使用を勧められました。セカンドオピニオンを聞くために、別の眼科を受診しましたが、こちらの所見はまだ3週間なので1ヵ月後に再度検査をしましょうとのことでした。ま た、「マクジェン」に関しては、この病気には使用しないとの見解でした。最初の先生は、このまま投薬による経過を見ても、黄斑にかかっている腫れが良くない方向に行く可能性が高いため、注射を勧められており、治療方針が 大きく異なるため迷っております。先生のご意見を伺わせて頂ければ有難く。ご多忙の中、恐縮ですが、非常に迷っているため、ご教示頂ければ幸いです。


@網膜静脈分枝閉塞症を何もせずに静観しても良い結果を得られる可能性は低いと思います。黄斑浮腫が改善しないと判断したら硝子体手術を行うケースもあるくらいです。1ヶ月静観をするくらいなら、「ケナコルト筋肉注射」(←筋肉注射ではないと思います。テノン嚢下注射ではないですか?)や「マクジェン」の使用を行う方が有効だと思います。したがって前者のドクターの見解を支持します。

PS:今は、網膜静脈分枝閉塞症の黄斑浮腫への抗VEGF抗体の硝子体注射は保険適応として認められています。

*******************************

吉野眼科クリニック 吉野健一
〒110-0005東京都台東区上野1-20-10風月堂本社ビル6階
TEL:03-3839-5092, FAX:03-3832-3730
吉野眼科クリニックURL: https://www.yoshino-eye-clinic.com

*******************************